3D計測技術の高度化により、建築・土木・都市計画などさまざまな分野で点群データの活用が広がっています。取得方法や計測機器によってデータの性質が異なるため、保存・解析に用いるファイル形式も多様化しています。形式ごとに互換性やデータ容量、編集のしやすさなどの特性が異なるので、それぞれの特徴を理解して選択することが、作業の効率化やスムーズなデータ活用につながります。この記事では主要な点群データ形式とその選び方を紹介します。
点群データは、さまざまなファイル形式で保存されます。用途や解析方法によって適した形式は異なり、互換性やデータ容量、編集のしやすさなども選択の重要なポイントです。最適な形式を選ぶためには、それぞれの特徴を知る必要があります。ここでは、点群データ形式の種類と特徴を紹介します。
LAS(.las)は、航空レーザ測量や地上レーザ計測で標準的に用いられるバイナリ形式の点群データです。高い互換性を持ち、大規模データを効率的に格納でき、解析や可視化をスムーズにおこなうことができます。また、国や自治体が公開する地形や都市の点群データでも広く採用されていて、GISや3Dモデリングなどさまざまな分野で活用されています。
LAZ(.laz)は、LAS形式の点群データを可逆圧縮したフォーマットで、元データの精度を保ったまま容量を大幅に削減できます。大規模な点群データの配布や保管が効率的になり、ネットワーク経由での共有やクラウドストレージへの保存も容易になります。航空・地上レーザ計測で取得されたデータの配布形式としても広く利用され、LAS形式との高い互換性を維持しているので、既存の解析ツールやGISソフトウェアでそのまま利用できます。
E57(.e57)は、異なるメーカーやシステム間での点群データ交換を目的に設計された汎用バイナリ形式です。点群情報に加え、測定条件やセンサー情報などのメタデータや、カラーデータを含む3D画像も格納可能で、高い互換性を誇ります。そのため、複数のレーザスキャナやソフトウェアを利用するプロジェクトでもスムーズにデータ共有できます。航空・地上レーザ計測や建築・土木分野など、幅広い用途で利用されていて、異機種間でのデータ連携に適したフォーマットとして注目されています。
XYZ(.xyz)やCSV(.csv)は、点群データの座標値をテキスト形式で記述した非常にシンプルなフォーマットです。各点のX・Y・Z座標をカンマやスペースで区切って保存するので、ソフトウェアを問わず手軽に読み書きでき、汎用性が高いファイル形式です。編集やデータ確認も容易で、簡単な解析やサンプルデータの扱いに適しています。ただし、テキスト形式であるためファイル容量が大きくなりやすく、大規模な点群データの保存や処理にはやや不向きです。
PCD(.pcd)は、Point Cloud Library(PCL)が標準で採用する点群データ形式です。テキスト形式とバイナリ形式の両方に対応していて、データの可読性と処理効率を用途に応じて選べます。主にプログラムによる解析やアルゴリズム研究で利用され、点群の編集やフィルタリング、可視化などさまざまな処理に対応できます。また、PCLとの高い親和性により、研究開発や実験環境での点群データ活用に最適な形式として広く用いられています。
そのほかPTX、PTS、RCP/RCSなど、機器やソフトによる特殊形式もあります。
点群データを扱う際は、データ容量やソフトウェアの対応状況、編集や共有のしやすさなど、さまざまな要素を考慮することが重要です。形式ごとに特性や利便性が異なるので、目的や用途に応じて最適なファイル形式を選ぶことが、効率的な解析やスムーズなデータ運用につながります。ここでは、主要な点群ファイル形式の特徴と選び方のポイントを分かりやすく紹介します。
点群データのファイル形式には、それぞれ利点と制約があり、用途や運用環境によって適した形式が異なります。LASやLAZは効率的な格納と互換性に優れ、E57は異機種間のデータ交換に強みがあります。XYZ/CSVは手軽で汎用性が高く、PCDは研究やプログラム処理に適しています。汎用性・効率性・将来性をバランスよく考慮し、自社やプロジェクトの目的に合った形式を選ぶことが重要です。各形式の特徴を押さえることで、データの活用や共有をスムーズに進めることができます。