土木業の点群データ活用方法

土木業において、3D点群データの活用が進んでいます。従来の測量技術では不可能だった高精度かつ効率的な計測が可能となり、作業の迅速化やコスト削減にも大きく貢献しています。

土木業界での点群データの活用方法

土木業界では点群データを測量や施工管理などに活用しています。測量では森林や河川、橋梁や道路など様々な場所、構造物に対して3次元化できます。スマホを使った点群測量では熟練者ではなくても3D測量が容易におこなえるので、業務の効率化につながります。点群データをクラウドで共有すればリモートでの施工管理ができるため、担当者が現場に行かなくても施工状況が把握できます。

また、スマホを使った点群測量は埋設完了後に地下の間の位置や深さが把握できるため埋設管工事の効率化、精度向上にも活かされています。更に、大きな機材が持ち込めないような災害現場でも、素早く、より安全に測位と記録ができるので、能登半島地震の際にもスマホ点群測量で得られたデータを素早くクラウド経由で関係者に共有できました。

事例1: パシフィックコンサルタンツ

引用元:エリジオン(https://infipoints.elysium-global.com/case-study/pacific)

大規模構造物における従来のメンテナンス作業では、全体を正確に計測することが難しく、部分的なデータから残りを推測しなくてはなりません。また、橋梁やビルなどの高さや幅が数十メートルを超える構造物では、地震や台風で損傷した際に迅速な復旧が求められますが、現場の正確な計測が困難という課題がありました​。

そこでパシフィックコンサルタンツは、3Dレーザースキャナーと点群処理ソフトを導入します。導入により、これまで部分的にしか得られなかった情報を正確に3Dモデルとして再現することが可能になりました。点群処理ソフトを使って橋脚や桁の断面図や平面図を自動生成することで、図面の作成プロセスが効率化しています​。

さらにデータを鉄道会社や設計会社と共有することで、協力体制を強化し、効率的な工事が実現しました。

参照元:エリジオン(https://infipoints.elysium-global.com/case-study/pacific)

事例2: 山梨県県土整備部

引用元:福井コンピュータ(https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/140)

地形によってICT施工が困難な現場が多く、従来の工法では効率的に工事を進めることが難しい状況でした。

山梨県県土整備部は、点群処理システムを導入し、全ての建設事務所に配備することで、現場での出来形管理や地形モデルの断面抽出をスムーズにおこなえるようになりました。

点群データを活用したICT施工により、現場の状況を即座に把握し、必要な情報を迅速に提供できるようになりました。現場の効率性が向上し、道路管理や河川工事での安全性が大きく改善されます。点群データを基にした詳細な分析や計画の立案ができるようになり、今後さらに公共工事の生産性向上に寄与することが期待されています​。

参照元:福井コンピュータ(https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/140)

事例3: KDDI

引用元:清水建設(https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024034.html)

大規模なトンネル工事において、現場で取得した3D点群データを遠隔地へ共有することが難しく、測量データの確認や施工管理に時間がかかっていました。

清水建設はKDDIと協力し、LiDAR搭載の四足歩行ロボットとドローンを活用してトンネル内外の点群データを取得し、遠隔地の拠点にデータをリアルタイムで伝送する実証実験を行いました。

この実証実験により、現場で取得した点群データを即座に本社や遠隔地で確認でき、施工管理や進捗確認がリアルタイムで行えるようになりました。

参照元:清水建設(https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2024/2024034.html)

まとめ

点群データの活用は、土木業において計測精度の向上や作業効率の改善をもたらしています。大規模構造物から小規模な土工事、公共工事まで、幅広い分野でその効果が確認されており、今後もさらなる活用が期待されています。