建設業の点群データ活用方法

点群データは建物の改修や新設工事の際、現場のデータ取得において大きく貢献している技術です。従来、現地での採寸作業は大きな時間と手間がかかるだけでなく、作業員の安全面にも多くの課題を抱えていました。3Dレーザースキャナーと点群データを利用することで、これらの課題を解決し、効率的で正確な工事計画が可能となります。

建設業界での点群データの活用方法

建設業界では測量や施工管理、出来形管理、維持管理などに点群データが活用されています。

着工前にドローンで現場を空撮して点群モデルを作ることで広範囲の地形を把握することができますし、急斜面や危険な現場でも測量できます。工事の各工程で3Dスキャンしておけば設計3Dモデルと比較することで構造物の位置や形状のずれを確認できます。また、点群データをクラウド上で共有することにより遠隔でも施工管理をおこなうことができます。

工事完了後にも構造物全体を点群化して設計3Dモデルと比較できますし、定期点検時にも新旧の点群データを比較、分析することで変異やコンクリート表面のひび割れなど劣化を早期発見できます。

事例1:横河ブリッジ

引用元:DataLabs株式会社(https://www.datalabs.jp/news/yokokawabridge)

UR都市機構は、既存の集合住宅にBIM(Building Information Modeling)を導入するため、現地調査の工数が大きな課題となっていました。

この問題を解決するため、UR都市機構と三谷産業は共同で、レーザースキャナーを使用して点群データを取得し、それを基に効率的にBIMデータを作成する研究を実施しました。

研究の結果、点群データを活用することで、従来のドローン撮影と比較しても高い精度で建物形状を把握できることが確認されました。改修工事時の図面作成における現地調査の工数を削減でき、作業効率が向上しています。

参照元:DataLabs株式会社(https://www.datalabs.jp/news/yokokawabridge)

事例2:三谷産業とUR都市機構

橋梁の建設や補修を手掛ける横河ブリッジでは、従来の手法による配筋検査だと、正確な検査を行うために多くの時間と労力を要していました。また、従来の写真による検査では、奥行き方向の計測が難しく、正確なデータが得られないという課題もありました。

この課題に対し、横河ブリッジはiPadを使用して点群データを取得。そのデータを基に3Dモデルを作成するソフトウェアを導入します。これにより、点群データから配筋の状態を正確に可視化し、データ処理の自動化が可能となりました。結果、検査作業の効率が向上し、従来の手法に比べて60%以上の省力化が実現しました。

参照元:[PDF]三谷産業株式会社(https://www.ur-net.go.jp/aboutus/press/hndcds0000006cnt-att/ur2022_press_0531_bimdate.pdf)

事例3:新菱冷熱工業

引用元:エリジオン(https://infipoints.elysium-global.com/case-study/shinryo)

新菱冷熱工業は、設備のリニューアル工事において、古い建物や過去の改修記録が不十分な現場での採寸作業に多くの時間を費やしていました。高温設備や高所における採寸は困難で、安全面のリスクもありました。

この課題に対し、新菱冷熱工業は3Dレーザースキャナーを導入します。また、専用のソフトウェアを用いて点群データの処理や設備のモデリングを効率化し、干渉チェック機能を活用することで新旧設備間の衝突を未然に防ぐ計画を立案しました。

この取り組みにより、従来の手作業による採寸に比べて作業時間が短縮し、現場作業員の安全性も向上しています。点群データを活用することで、設備モデリングの精度が向上し、工事後の手戻りや不具合のリスクを軽減できました。

参照元:エリジオン(https://infipoints.elysium-global.com/case-study/shinryo)

まとめ

点群データを活用することで、従来の手作業に依存していた採寸や設計プロセスを効率化し、工事の精度や安全性を高められます。3Dレーザースキャナーと点群処理ソフトを組み合わせることで、施工現場の詳細なデータを短時間で取得し、効率的かつ正確な施工が可能になりました。これからの建設業において、点群データは欠かせない技術となるでしょう。