点群データの活用方法とその効果について、建設業、土木業、製造業の業界ごとに詳しく解説しています。
各業界での活用事例を通じて、3Dレーザースキャナーを用いた正確かつ効率的なデータ取得がどのように業務の精度向上や効率化に貢献しているかを紹介します。
建設業における点群データの活用は、測定精度の向上と効率化を可能にしています。特に、3Dレーザースキャナーで得られる詳細な現場データは、従来の手作業測量に比べてはるかに正確で、誤差を最小限に抑えることができます。
このため、設計段階から施工、完了後の検査まで、工事全体のプロセスでの計画立案が効率的に進行します。また、建物やインフラの修繕や改修にも役立つため、点群データは施工のコスト削減や品質向上にも貢献しています。
今後、建設業界ではますます高精度かつ自動化されたデータ活用が求められるでしょう。
横河ブリッジの点群データ活用事例では、従来の配筋検査の手間と時間の課題を解決しています。横河ブリッジはLiDAR付きiPadで点群データを取得し、それを3次元モデルに変換する専用ソフトで配筋状態を可視化しました。計測と帳票作成が自動化され、検査作業の効率が飛躍的に向上しました。従来の手法と比べて60%以上の省力化を達成し、リボンロッドの設置や複数人での作業が不要になりました。さらに、±5mm以内の高い計測精度も確認できていて、現場での配筋検査における信頼性と生産性を両立しています。発注者との立会いも大型モニターや遠隔画面共有によりスムーズに行われ、IT技術の導入で時代に即した検査工程が構築されています。今後もバーチャル型枠機能などのアップデートが期待されています。
参照元: DataLabs株式会社(https://www.datalabs.jp/news/yokokawabridge)
土木業において点群データは、精密な施工管理や効率的な作業進行において重要な役割を果たしています。地形や構造物の精密な3Dデータを短時間で取得できるため、土木プロジェクトのさまざまな段階での計測が迅速かつ正確に行えます。
特に、土壌の変動や地形の変化をリアルタイムで監視することで、施工リスクの軽減やプロジェクトの安全性向上に貢献します。また、複雑な地形や構造物の設計にも役立つため、未来の土木設計においても必要不可欠な技術とされています。
山梨県県土整備部では、ICT施工の一環として3D点群処理システム「TREND-POINT」を全ての建設事務所に導入し、小規模ICT施工を推進しています。急峻で狭小な地形が多い同県の特性に合わせ、部分的かつ効率的にICT技術を活用しました。職員向け研修も実施し、点群データの基礎理解と操作に成功体験を積ませることで普及を促進しました。点群データを利用し地形の断面抽出や土量計算が容易になり、遠隔地からも3Dデータを活用した検査や協議ができるようになりました。施工の精度向上・安全性強化・作業効率化を実現し、災害対応や維持管理にも貢献しています。県内の道路管理者も点群データを異常検知や盛土量把握に活用していて、今後さらなる活用拡大が期待されています。
参照元:福井コンピュータ(https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/140)
製造業では、点群データを利用することで、製造ラインの検査や品質管理の精度を高めています。従来の目視や手作業での検査に代わり、3Dレーザースキャナーを用いることで、微細な製品の形状や寸法を短時間で取得可能です。
また、製造設備や生産ラインのレイアウト変更にも対応しやすく、効率的な生産管理や改善活動をサポートします。さらに、デジタルツインを構築することで、現場と設計図の差異をリアルタイムに確認し、業務の最適化に繋げることができます。
富山県の新生製作所は個々のニーズに応じた鋼製品を製作しています。従来の現場調査は現場での手作業によるトレースが多く、時間やコストが大きな課題でした。そこで3Dレーザースキャナーを導入し、現場を正確に計測した点群データを基にCADモデルを作成することにしました。この方法を採用してから調査の精度が向上し、手戻りを減少させるとともに、これまで受注が難しかったトンネルの隔壁製作など複雑な案件も受けられるようになりました。さらに点群データを活用した正確な図面作成や関係者間の情報共有で、施工が効率化し品質も向上しました。新型コロナ禍の制約下でもソフトウェアの選定や操作学習を進め、点群データとCADの連携で業務効率化を図る代表者の姿勢が印象的です。
参照元:エリジオン(https://infipoints.elysium-global.com/case-study/shinsei)